医療分野での炭酸泉活用
近年、炭酸泉による中高年および老年の方の血圧や糖原病などによる潰瘍(かいよう)への影響が報告、研究されています。また、わが国においては、糖尿病とその予備群で2,000万人を超えるといわれ、後期高齢者の方々を控えた医療費の2025年問題などが課題となっています。そこで、健康維持と高齢者の自立促進を図ることによって医療費を抑え、QOL (生活の質)の向上を求める声が高まっています。
炭酸泉足浴ケアは循環器系の病院や透析クリニックにおいて活用されています。
また、炭酸泉は毎日、もしくは2日に一回など高頻度・恒常的に利用することが重要なため、ご家庭でも日常的に炭酸泉足浴ケアをおこなう方が増えています。
高齢者分野での炭酸泉活用
高齢化社会において、健康で過ごせることはとても大切なことです。
医療費2025年問題と言われる、日本の人口動態中の最大集団である団塊の世代(1947~49年生まれ)の方が全員が75歳以上、つまり「後期高齢者」となる時の年間医療費が懸念されています。
(後期高齢者の年間医療費は平均の3倍になるといわれています)
炭酸泉は血管拡張作用により、身体が深部まで温まりやすく保温効果が高いため、高齢者の方の健康視点でも注目されています。また、抹消血管をはじめ、全身の血管拡張に繋がることから高血圧の方や関節痛、冷え性、褥瘡改善の補助として、健康長寿社会実現に期待されています。
高齢者施設やディサービス、訪問介護入浴サービスにおいて、『B-da ver.2 』を用いた炭酸泉は低コストで『血管拡張作用』による高い温浴効果を提供するため、従来にない製品であると注目を頂いています。
座った姿勢で足を湯に浸す足浴ですが、足から全身に『血管拡張作用』と『リラクゼーション効果』が広がります。通常の入浴に比べ心臓への負担が少ないため高血圧や心疾患を持つ方、高齢者や体力の弱い方にも適した温浴方法です。
近年は安眠・快眠効果が看護・介護の分野でも評価が高まっており多くの施設で導入されてきています。
名古屋共立病院は、十数年前より末梢動脈硬化による手足の壊死病変の治療に人工炭酸泉を使用してきました。
その結果本来切断される病変を87%という高い確率で救済してきました。最近では糖尿病や高齢者にみられる心臓の冠動脈の末梢の動脈硬化による心筋障害=心不全の治療に優れた成果を上げています。
その他アトピー性皮膚炎のようなさまざまな皮膚病変やインスリン抵抗性の糖尿病、癌の免疫療法の補助的な効果などを認めています。人工炭酸泉治療をもっとさまざまな疾患に適応させる予定でいます。
人工炭酸泉は全身浴、足浴で血流を3倍位高め、さらに血中酸素濃度を数時聞にわたって高レベルに維持するため、脳梗塞や心筋梗塞の予防やリハビリに役立つと考えられます。ただ原則的には毎日1~2回の足浴を持続的に行うことが肝要です。人工炭酸泉治療は比較的安価で副作用のない優れた治療法なのでさらに普及していくでしょう。